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2016年2月14日

ヨロイイソギンチャクを飼育しよう

ヨロイイソギンチャク

カクレクマクマノミとハタゴイソギンチャクを共生飼育している水槽の中にヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクも生息しています。ヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクはウメボシイソギンチャク科で、ハタゴイソギンチャクと同様に褐虫藻と共生しているため触手の色は褐色です。またこの2種は干潮時に磯の潮溜まりでよくみかけるイソギンチャクで見た目も似ています。

ヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクの見分け方は、 東京大学三崎臨海実験所ベリルイソギンチャク に記載されています。これによると、触手に斑紋があり、体壁が石や砂粒で覆われているのがヨロイイソギンチャクで、触手に斑紋がなく、口のまわりが赤茶色に染まり、体壁に石や砂粒がほとんど付いていないのがベリルイソギンチャクです。

上の写真のイソギンチャクは砂粒をまとって触手に斑紋があります。また下のイソギンチャクも写真では見えませんが砂粒をまとっていて触手に斑紋があり、口のまわりも赤茶色ではないことからヨロイイソギンチャクであろことがわかります。

 ヨロイイソギンチャク

一方、下の写真のイソギンチャクは、褐虫藻が抜けてきているので触手の色が白っぽくなっていますが、触手には斑紋はなく、砂粒もほとんどまとっていません。また口のまわりも若干赤っぽいところからベリルイソギンチャクではないかと思っています。

 ベリルイソギンチャク

何れも千葉の南房総で採取してきた個体です。


イソギンチャクの採取方法

千葉県内のイソギンチャクについては、千葉県立博物館分館 海の博物館 の「イソギンチャクを観察しよう」に生息域も記載されているので千葉方面に出かけるときには参考にしてください。

採取は、磯にいるイソギンチャクを無理やり引きはがすと悲しい結果になってしまいます。シャベルや大き目のマイナスドライバーで、ほじれるところにいるイソギンチャクを選んで個体の周りごと採取しましょう。

採取後は少し海水を入れたZiplocにいれます。干潮時には水が浸らない場所にも生息している生命力の強いイソギンチャクなので、採取してから水槽に投入するまでの数時間であればエアポンプは必要ありません。


ヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクの飼育方法

ヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクは褐虫藻と共生して養分を得ていますので、褐虫藻の光合成には青色LEDが最適です。詳しくは、イソギンチャクの飼育には青色LEDスポットライト | 象と散歩 を参照してみてください。ただ、同じ水槽で飼育していてもベリルイソギンチャクの方は白っぽくなって褐虫藻が抜けてしまっているのでもっと強い光が必要なのかもしれません。

下の写真は、里子に出したベリルイソギンチャクです。蛍光灯のライト下では完全に褐虫藻が抜けて透明となってしまいました。

ベリルイソギンチャク

自宅のヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクは、ハタゴイソギンチャクと同じ飼育環境下なので 初心者のイソギンチャクとカクレクマノミの共生飼育 | 象と散歩 に詳細を記していますが、ちょっと過保護気味の飼育環境です。でも、里子に出したベリルイソギンチャクは、ろ過装置だけの水槽で飼育していますが、飼育開始から1年以上経ったいまでも元気です。

水槽と濾過装置に砂とイソギンチャクが定着するための岩(ライブロック)を入れます。岩はイソギンチャクを採取するときに磯で拾ってきたものでも構いません。水は人工海水で作ります。

水槽の水替えは、水が汚れたら替えれば大丈夫です。里子のイソギンチャクの水槽は3か月に1度、全部の海水を入れ替えています。塩分濃度も比重計で都度測定しなくても、人工海水を作るときに計量すれば十分です。あとは蒸発分を浄水器の水(カルキ抜いた水)で補充します。


イソギンチャクの餌

もともとイソギンチャクは活発に動いて餌食するわけではありません。ヨロイイソギンチャクとベリルイソギンチャクも居心地のいい場所を探して移動することはありますが、捕食のために積極的に動くことはありません。触手も普段は流れに任せていて刺激があったときだけ反応します。

なので、イソギンチャクの触手が褐色であれば褐虫藻の光合成から栄養が得られているので、餌をこまめにあげる必要はありません。しかし、脱色して白くなってしまったイソギンチャクには給餌が必要です。里子のイソギンチャクは2-3日に1回、餌をもらっています。

イソギンチャクの餌としては、動物食性の熱帯魚用の大粒の顆粒のメガバイトレッド L を与えています。ピンセットでつまんでイソギンチャクの口まで運ぶと、触手をまるめてキュッと閉じます。そして次に触手を開いたときには餌は見えなくなって(食べて)います。1回での給餌は1粒で十分です。

また餌をつまんでイソギンチャクの口まで運ぶには ロングサイズのピンセット があると便利です。


飼育してみるとイソギンチャクもカワイイ

ただゆらゆらとしているイソギンチャクですが、見ていると癒されます。イソギンチャクは、光合成が必要なのでLEDスポットライトを使っています。青一色の世界も素敵です。

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