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2009年7月20日

蝉の羽化

都内で聴ける蝉の声

都内では7月頃から先陣をきって「ニイニイゼミ」が鳴きだし、夏休みに入いる頃になると「アブラゼミ」が参戦してきます。お盆時期は「アブラゼミ」と「ミンミンゼミ」の合戦となり、夏休みも終わりの頃になって「ツクツクホウシ」が夏の終焉を告げます。少し郊外であれば朝晩は「ヒグラシ」のもの悲しげな声も聞くことできます。

蝉の幼虫を見つける

都内でも時期によって観察できる蝉が違いますので、色々な蝉の幼虫から成虫へと変態する華麗なるショータイムを見てみてください。観劇はとても簡単です。暗くなってから近所の公園に寄ってみるだけです。後は見たいと思う気持ちさえあれば蝉の幼虫は容易にその姿を現します。

蝉の幼虫、発見のポイント
① 日が沈んでから日中に蝉が鳴いている公園などにでかけます。
② 蝉の抜け殻がある。
③ 根元の周りに1cm程度のポツポツとした穴がある。
④ ②③の木の根元から順次上へと懐中電灯を照らしていきます。

羽化の観察

そのまま公園で幼虫が羽化する様子を観察してもいいのですが、背中が割れてから完全に姿を見せるまでには30分以上かかります。夜の公園は蚊が多いのと、不審者に間違われても困るので、元気よく木を登り始めた蝉の幼虫を見つけたらそっと家に持ち帰ってゆっくり観察しましょう。

プラスチックの飼育ケースなどに羽化するための木をいれます。ケースや登り木がなくても、観葉植物、網戸などでもO.K.です。カーテンは風で揺らぎやすいので×です。羽化している最中に羽が当たると変形して飛べなくなってしまいます。下の写真はクワガタ飼育などに使っている木に登って羽化を始めた蝉の幼虫です。足場をしっかりと固定してから羽化が始まります。背中に割れ目がでてきたらそっとケースから出して間近で観察してください。

イナバウア


右の写真は羽化開始後15分のアブラゼミです。背中の殻を破ってイナバウアのように身体を後ろにせりだしてきます。

羽化したばかりの成虫はまるで白い天使です。そして羽化する瞬間はとても神秘的で、その懸命な姿に感動を覚えます。








腹筋運動


イナバウア状態から腹筋をして身体を起こします。足でしっかりと身体を支えてから最後に尻尾部分を殻から出します。その後に体勢を整えて、ゆっくりと羽を伸ばしていきます。

今回、羽が伸びきった姿はピンぼけだったので割愛しますが、羽がキレイに伸びきるまでには羽化開始から1時間ぐらいかかります。観察が終わったらケースに戻します。

ケースに戻すときに羽が当たらないように気をつけてください。

翌朝にはいつも見かけるアブラゼミになっています。羽化してすぐには大きな声では鳴かないので近所迷惑にもなりません。フタを外しておけば、自分から外に飛んでいきます。

アブラゼミは成虫になってから2週間程でその生涯をとじます。羽化の観察で感動を与えてくれた彼らを自由にしてあげてください。

但し、リリースするのは近所で捕獲した蝉だけです。人間の手で生態系を乱さないよう注意してください。

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