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2009年3月26日

新聞・TVが消える日


猪熊建夫著の新聞・TVが消える日 (集英社新書)を読みました。
第1章 テレビとネットは融合するか
第2章 「紙離れ」はどこまで進むか
第3章 ネットになじむ音楽市場
第4章 転機を迎えたゲーム産業
(本書の内容から)
自身のブログでも「iPodで新聞を読む 」では、新聞購読世帯数の減少について、「デジタルコンテンツの今後 」では、放送と通信の融合に触れましたが、本書の中では、そのことについて詳細に説明されています。

放送と通信の融合

3月10日に「著作権法の一部を改正する法律案 」が国会に提出されました。「インターネット等を活用した著作物利用の円滑化を図るための措置」で、複雑化しているテレビ放送の著作権が簡易化されれば、テレビ放送のネットでの再配信が拡大されることでしょう。またインターネット=PCという概念がなくなり、テレビ経由でのVODの利用が促進されれば、大きな市場に成長する可能性を秘めています。そういう意味では、先行してテレビ搭載を進めているアクトビラの戦略が、成功の鍵を握っているのではないかと思います。
著作権法の一部を改正する法律案の概要
1.インターネット等を活用した著作物利用の円滑化を図るための措置
2.違法な著作物の流通防止
3.障害者の情報利用の機会の確保
【文部科学省のページより】

落城前夜の新聞各社

書の中で、新聞各社のビジネスモデルとして、自社サイトの中での広告収入モデルは成り立たないとあります。その結果として、「Yahoo!ニュース」や「Googleニュース」に新聞各社が無償で記事を提供し、ポータルサイト側では、大きな流入経路となり、広告収入の基盤となっている現状を、新聞各社はどのように打破しようとしているのかは興味があります。
(※Yahooニュースは「朝日」「日経」「共同通信」以外、Googleニュースは「共同通信」以外が提供)

ネットでは、コンテンツは無料であるという概念が蔓延し、広告モデルこそが成功事例のように捉えられています。しかし、iTunesでは音楽配信で成功を納め、アプリケーション、オーディオブックと続いています。appleは、単にiPodやiPhoneというハードを売るだけではなく、iTunesというソフトを導入させることでコンテンツ販売の仕組みも同時にユーザーに提供しました。

聴く日経の有料化

そういった中、Podcastで重宝している「聴く日経」が、2009年4月1日より有料化されます。オーディオブック形式で毎回課金されるのかと思いきや、有料化1週間前の24日なって、やっと月額525円と発表されました。詳細については、ラジオNIKKEIの聴く日経のページ を参照してください。

かつて毎日新聞などが試みたメールによる有料のニュース配信がうまくいかなかった理由としては、情報の即時性だけは、ネット利用者にとっては金額を支払うまでの価値がなかったということだと思っています。

ネットでコンテンツビジネスを成功させるためには、

1.コンテンツの独自性(有益性)
2.利用可能の容易さ
3.低価格
4.簡易決済

が、必要だと考えています。

「聴く日経」に置き換えれば、525円という価格で、新聞を購読する代替となり得るのであれば、新しい収入モデルが構築できるのではないでしょうか。紙媒体の補助的存在ではなく、新聞を購読しない層をPodcastで獲得する(紙媒体の購読は必要ない)。と、いう割り切りが大切だと思います。

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